白いジャージ8~先生と熱い想い~






「どうしたら・・・・・・さやかを救えるかな」





俺の頬に熱いものを感じた。








俺は泣いていた。







宮崎の“どうしたら救えるかな”という問いは、俺の心を打った。






宮崎は、許して欲しくてここに来たんじゃない。






宮崎は・・・・・・戸村を救いたかった。




だから、ここに来た。










「全校生徒の前で謝って。全部私が悪かったって頭下げて。今日から私をいじめてくださいって言ってくれたら・・・・・・私はいじめられなくなるかな」






戸村の答えは、俺が予想したものではなかった。





でも、きっと・・・・・・宮崎の想いは届いた。




ふたりは、目を合わせて話していた。







ゆっくりで良いから。



焦らずに、埋めて行こう。








「わかった。そうするから。だから、もう一度友達になって・・・・・・ください」







涙・・・・・・止まんねぇよ・・・・・・



宮崎も戸村も・・・・・・これ以上傷付け合うな。





許すって難しいけど・・・・・・






今度は戸村が宮崎と同じ苦しみを背負うことになる。




自分のせいで宮崎がいじめられたら、絶対に後悔する。





いじめられることも辛いけど、それ以上に重いものを背負って生きて行かなきゃいけなくなる。





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