白いジャージ8~先生と熱い想い~
対決
―対決―
「ただいまぁ~」
先生が帰って来た。
今日は、先生にとってとても大事な日だったんだ。
戸村さんと宮崎さんが話をする日。
この日を迎えるまで本当に大変だったんだ。
ふたりともなかなか先生に心を開かないし、家に行っても会えなかったりしていた。
先生の努力がやっと報われた。
「おかえりなさい。ご飯食べる?」
「ああ。この匂いは、豚の生姜焼きだなぁ?」
「当たり!!すごいね!」
「腹減ってるから。それに直の生姜焼き、大好きだし」
先生は手を洗ってうがいをして、服を着替えた。
ご飯の準備をする私の後ろにゆっくりと近付く。
そして、私をぎゅっと後ろから包み込んだ。
大きな先生にこうして抱きしめられると、本当に幸せ・・・・・・
「ありがとな。直」
「先生、お疲れさま」
「ちゃんと話せたよ。まだまだ時間はかかると思うけど、大きな一歩だと思う」
「良かった!!」
私は先生に抱きしめられながら、フライパンの上の豚の生姜焼きをひっくり返す。
「直のおかげだから」
先生はそう言って、ポンポンと私のお尻を叩いて、キッチンから離れた。