白いジャージ8~先生と熱い想い~
たっくんとの出会いは、高校生の頃。
私が先生と別れて、焼き鳥屋さんでアルバイトを始めて・・・・・・
そのバイト先にいたのがたっくんだった。
“矢沢”って私のことを呼んでくれるところが、少しだけ先生を思い出させてくれた。
今から思えば、どこも似ていないのに、当時は先生に似ている気がして。
好きになろうとしたんだよね。
たっくんが私のことを“矢沢”って呼ぶたびに、先生の声を思い出して、そのときめきをたっくんに感じているんだと言い聞かせて・・・・・・
付き合うことになったのがクリスマス前。
クリスマスのデートをして、そこで気付いたんだ。
たっくんが私にキスをしようとして、思い出した。
“ファーストキスは俺の為にとっといて”って先生が言ってくれたこと。
ファーストキスは、先生とじゃなきゃいやだって思ったんだ。
たっくんは何も悪いことをしていないのに、突然車から飛び出して、先生に電話した。
本当は最初から気付いてた。
先生じゃないとだめだってこと。
他の誰かや、似ている誰かじゃだめだってこと。
忘れようとすればするほど、先生のことを好きになるってわかっていたのに・・・・・・