白いジャージ8~先生と熱い想い~
「お~~~い、直ちゃん?どうしたのかなぁ?」
「あ、私ったら」
豚の生姜焼きをお箸で挟んだまま、高校生の頃の思い出に浸ってしまっていた。
「先生はいい先生だなって思い出してたんだ」
「何だよ~!何思い出してたんだぁ?ニヤニヤしてたし」
すぐに戻れる。
あの頃に。
高校生の矢沢直に。
先生に恋していたあのキラキラした日々・・・・・・
「私、先生のことばかり目で追ってたなぁ」
「俺の知らないところで、こっそり見てたんだろぉ?」
「そうだよ。今でもきっとたくさんいるよ、そういう子」
先生は、少し困った顔をした後に、にっこり笑った。
「直ほど俺のこと見てる生徒はいないだろうな」
その時、急に胸の奥がキューっとなった。
田辺さんのことを・・・・・・考えた。