白いジャージ8~先生と熱い想い~
もしかしたら、田辺さんは私みたいにこっそりずっと先生を見ていたのかもしれない。
まだまだ謎が多くて、どういう気持ちなのかわからないけど・・・・・・
もしかしたら・・・・・・私のような生徒だったのかな。
先生が覚えていないくらいだから、きっとほとんど話したこともないと思う。
それくらい遠い存在だった先生を今でも少し引きずっているとしたら・・・・・・
想像できないくらい辛いし、切ないよね。
「どした?」
急に暗い表情になった私を心配した先生。
「田辺さんも、先生をこっそり想っていたのかな」
先生は、天井を見つめた。
少し難しい顔をした。
「そうなのかな。わからないんだよな、俺にも」
「もしそうだったら、冷たくするのはかわいそうだね」
そう言った私に先生が言った。
「俺が一番大事なのは直だから。俺が守りたいのは直なんだよ。わかる?」
真剣な表情だった。
先生は、田辺さんのことで私以上に悩んでいるように見えた。