白いジャージ8~先生と熱い想い~
「忘れてたけど、たっくんと直は付き合ってたんだな」
写真を撮り終えた後、先生がポツリと呟いた。
先生も同じことを思い出していたんだね。
「そうだったっけ?」
ととぼけてみる。
「そうだよ。好きでもないのに付き合って、キスされそうになって逃げたんだよ。かわいそうなたっくん」
「それ、前にも言われたよね・・・・・・最低だね、私」
先生は、くくくくって笑って、私のほっぺをつねる。
「まぁ、俺がそれだけお前に寂しい想いをさせてしまったってことだな」
つねった手で鼻先をツンとつつく。
「あの頃はライバルだったのに、今はこんなにもたっくんがかわいいなんて」
先生は、ゆかりと手を繋いで歩いていくたっくんの後ろ姿を見つめていた。