白いジャージ8~先生と熱い想い~
「もしかして、うちの主人のこと昔好きだったりしました?」
先生のことを“うちの主人”、なんて言い方もしたことがなかった。
私を見下すような目をした田辺さん。
何を言うんだろうかと少し怯えてしまった。
「まさかぁ~!教えてもらったこともないんだよ~!ほとんど話したこともないし」
どうして隠すんだろう。
じゃあ、どうして・・・・・・
「そうなんですか・・・・・・」
「でも、先生は私のこと覚えててくれたんだよね。さすがだよね、新垣和人!」
フルネームをはっきりと覚えていること自体、あんまりないと思うんだ。
好きな先生だったから覚えてるんじゃないのかな。
「どうして、最初知らないフリしたんですか?」
「前も言ったよね。普通にお隣さんとしていい付き合いがしたかったから」
頑張れ、直。
ここで負けたらだめだよ。
言いたいこと、言わなきゃ。
聞きたいことを聞かなきゃ。