白いジャージ8~先生と熱い想い~






「でも・・・・・・田辺さんを見ていると、何かあるように見えるんです」



「先生が覚えててくれたから、私も生徒に戻ったみたい。高校生気分、みたいな」




自分にこんなにもいじわるな一面があるって知らなかった。



私は自分が嫌いになるかもしれない。






「覚えていたわけじゃないんです。思い出せなくて、必死で思い出そうとしたんです」





こんなことを言うつもりはなかった。




でも、勝ち誇ったような田辺さんの顔を見ていると、言わずにいられなかった。






「え?そうなの?先生、覚えてたんじゃないの?」




「田辺さんの行動を見ていて、教え子じゃないかって思って、必死で思い出したんだと思います」





アルバムで見つけたとは言わなかった。




でも、言ってしまいたい衝動に駆られた。






この人は私のことが嫌いだ。




それは、私が先生の奥さんだから・・・・・・






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