白いジャージ8~先生と熱い想い~
恋は人を変える。
罪悪感を無くしてしまう。
依子が言っていた。
“先生をストーカーしている時は罪悪感は感じなかった”って。
先生の家の前にいるっていうときめきや喜びで、罪悪感なんて感じないんだ。
きっと、田辺さんも、先生のことが大好きで大好きで、仕方がないんだと思う。
だから、きっと罪悪感なんて感じていない。
でも、それは田辺さんが悪いんじゃないんだよね。
違うかな・・・・・・
「先生も嫉妬深い奥さんもらっちゃったねぇ」
この一言で、私の心の中に芽生えかけた田辺さんへの同情心が消えた。
「失礼します・・・・・・」
私は冷静さを保とうと自分に言い聞かせて、田辺さんに頭を下げた。
田辺さんは、またね~と軽く声をかけて、車に乗り込んだ。
エンジン音のうるさい車だった。