白いジャージ8~先生と熱い想い~
「不思議だね」
「ああ、そうだな。でも、あの時に直が電話してくれなくても、いつかちゃんと俺はお前に伝えるつもりだった」
先生は腕組みをして、教会の前の噴水を見つめた。
あの時やり直していなかったら、私達はどうなっていたんだろう。
私は先生のことを忘れられずに、どんな日々を過ごしていたんだろう。
「離れてみて気付いたことがたくさんあった。やっぱり直じゃないとだめなんだって。卒業したら、ちゃんと告白しようと思ってた。それまでお前が俺のことを好きでいてくれるかどうか・・・・・・不安だったけど」
「好きでいるに決まってるよ」
「だな。今ならそう思えるけど、あの頃はまだ自信がなかった」
私と先生は、噴水を見つめながら目を細めた。
きっとふたりとも、あの中庭の噴水を思い出してるね。
あの音。
あのキラキラした光。
窓から見えるあの噴水を・・・・・・