白いジャージ8~先生と熱い想い~



途中から先生は目を閉じて聞いていた。





「直・・・・・・俺、もう我慢できねぇわ」





先生は、目を細めてそう言った。





そして、ゆっくりと立ち上がって、私の頭に手を乗せた。




「よく頑張ったな。そんなひどいこと言われて、よく頑張った」




先生に褒めてもらえるとやっぱり嬉しい。



新垣先生に褒められた生徒みたいな気分になる。






「俺のこと信じて。ちゃんと伝えてくる。今日、宮崎と戸村に教わった。ちゃんと言葉にして伝えないとだめだってこと。何度言ってもだめかもしれないけど、それでも伝え続けるって大事だってこと。今から行ってくる」





「先生・・・・・・」





「待ってろ。玄関で座って待ってていいから」







先生は、私を抱き抱えるようにして立たせた。





ぎゅっとしっかりと抱き合った。







「俺の声が聞こえる場所で待ってろ」





頭の上で手をポンポンと弾ませた。







この前、私が無理してテレビ見てたこと気付いていたんだね。






先生は何でもお見通し。








止めても、先生は絶対に行く。





そんな目をしていた。





いつも熱い先生だけど今日はもっと熱い。





宮崎さんと戸村さんからいっぱいパワーもらったんだね。









< 265 / 374 >

この作品をシェア

pagetop