白いジャージ8~先生と熱い想い~






「やっと・・・・・・やっと堂々と好きになれたのに」





田辺さんの小さな声を必死で聞きとった。




好き・・・・・・なんだね。


やっぱり。





スーッと静かに涙が頬を伝った。





ほっとした涙のような気がした。






やっと認めてくれた。



先生を好きだってこと。






「ずっとずっと、私は先生を好きになっちゃいけなかったの。本当はずっと好きだったのに。親友が先生のこと好きだったから私は好きじゃないフリを何年も何年もしてきたの!!この気持ち、わかる?」





依子のことを思い出した。




先生を好きになろうかなと言った依子。



先に言った方が勝ち、みたいな所があるから・・・・・・



私は怖くて仕方がなかった。







「私だって入学式から先生のこと好きだったのに!!」






気持ちが爆発した田辺さんは、大きな声でそう言った。






入学式・・・・・・




私と同じだ。






田辺さんは、私と同じように入学式から先生を好きだった。





そして、親友が先生を好きになったから、誰にも言えずに静かに恋をしていた。









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