白いジャージ8~先生と熱い想い~






「山沖とは今も友達なのか?」




先生の低い声は、穏やかで少し安心したように聞こえた。


先生もホッとしたのかな。



田辺さんの本当の気持ちを知って。





「うん。先月結婚したんだ・・・・・・だから、やっと先生のことを好きになれると思った。私はずっとずっと心の中にこの気持ちをしまってた。本当は高校生の頃に、言いたかった。私も新垣先生が好きだって・・・・・・」




「そうか。山沖は結婚して、お前は離婚・・・・・・そりゃ、辛いよな」






先生がそう言った途端、大きな声で田辺さんが泣き出した。






「やっと・・・・・・言ってくれた。お前って・・・・・・ずっと言って欲しかったの」





先生は、今とても自然に“お前”って言った。





きっと、田辺さんのことをちゃんと生徒として見ることができたからだと思う。





先生は、なるべくお隣さんとして接しようとしていた。





本当はもっと早く、ちゃんと生徒として見てあげるべきだったんだよね。




私がいたから先生はそれができなかった。






「辛かったんだよな。ごめん。俺が悪かった」





先生はそう謝った。




そして、多分・・・・・・田辺さんの頭に手を乗せた。







見えないからわからないけど、きっとそうだ。





嫉妬しなかった。




そうしてあげて欲しいと思った。







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