白いジャージ8~先生と熱い想い~






私だって、田辺さんのようになる可能性があった。





誰もがそうなるかもしれない。






好きなのに、好きって言えない。





何もできない。




フラれるよりも辛いよ。








「もし高校生に戻れるなら、お前は山沖に正直な気持ちを話したいか?」





完全に教師の声。



熱い先生の声だ。





「山沖さんより前に、先生のこと好きだって言いたい。でも、あの子なら、私みたいに我慢しないだろうな。私も私もって言うだろうな」



「それは嫌なの?一緒になって俺のこと追っかけるのも楽しかったかもしれないじゃないか。でも、山沖のこと大事だから、お前は黙ってたんだよな」



「それもあるけど、キャーキャー言って追いかけるような想いじゃなかった。私は真剣だったの。だから、山沖さんと一緒にされたくないって思った」






その気持ちも痛いほどわかる。




私もそうだった。


先生のことを好きな他の子とは、違うと思っていた。





ファンなんかじゃない。




本気で好きだったから。






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