白いジャージ8~先生と熱い想い~
「ありがとな。大事な高校3年間、俺のこと好きでいてくれて」
田辺さんは、涙声で答えた。
「もう、報われました・・・・・・やっと、スッキリしました」
先生の隣に引っ越して来て、良かった。
そうじゃないと、一生先生のことを引きずっていたかもしれない。
これで、前に進めるかな。
「あのね!!先生の隣の部屋をわざわざ選んだわけじゃない。不動産屋さんに連れてこられて・・・・・・思い出した。先生の部屋だって・・・・・・」
「俺の家、知ってたのか?」
「よく待ち伏せしてたから。山沖さんと一緒に。卒業してからも何度か見に来たりした。だから、先生の奥さんを見るのは初めてじゃなかった。先生に彼女がいるってことも知ってたよ」
私と付き合ってる頃にもまだ先生を待ち伏せしたりしてたんだ。
全然知らなかった。
なんだか怖い。
知らないところで、私は見られていたんだね。
「この部屋を紹介されなかったら、絶対に住まなかった。先生の近所に住むなんて考えたこともなかったから。でも、連れて来られて・・・・・・もう、めちゃめちゃ嬉しくなって・・・・・・もしここに住んだら、先生に毎日会えるんだって思ったら・・・・・・幸せで・・・・・・だめだってわかってたけど、ここに住むことにしたの」
その気持ちも痛いくらいにわかるから、何も言えないよ。
遠い存在だった先生が隣に住んでいるなんて、夢みたいだもん。