白いジャージ8~先生と熱い想い~






「先生のどこが好きだった?高校の頃」





田辺さんにそう質問されて、私のテンションも上がる。







「背筋ピ~ンとして歩く後ろ姿とか、怒った時の低い声とか、笑うと顔がくしゃっとなる所とか、熱く語るところとか・・・・・・あと、出席取る時の真面目な顔も好きだったな~!」






「あはははははっ!うける!!奥さん、先生のことめちゃめちゃ好きじゃん」






「え?そうかな。へへ。田辺さんはどこが好きだった?」







先生のことを好きだった人とこんな会話をするのは初めて。






いつも、ゆかりや依子と、彼氏のどこが好きかを言い合っていたけど、みんな相手が違ったから。





同じ人のことをこんな風に笑って話せる自分に驚いていた。




嫉妬とかじゃなく、心からウキウキして、高校生に戻っていた。






「あのね~、廊下とかですれ違う時に“おはよ~”とか言ってくれるじゃん?その一瞬が嬉しくて。しかも追い抜かす時にも言ってくれるんだけど、その時にちょっとだけ振り向くの!その顔が好きだった~!」





「田辺さんも、相当マニアだ~!」





「始業式とか騒いでる男子に怒鳴ってるのもかっこよくなかった?」






「あ~!!それめちゃめちゃ好きだった!!他の先生が怒っても全然静かにならないのに、先生が怒ると急にシーンとなるんだよね」






「そうそう!!奥さんの時もそうだったんだ~。じゃあ、きっと今もそうだね」








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