白いジャージ8~先生と熱い想い~






コーヒーを運んできた先生と目が合った。





少し心配そうな顔をした先生に“大丈夫だよ”ってテレパシーを送って、笑顔を向けた。








「な~に盛り上がってんの?俺の話だろぉ?」





「へへ。先生はかっこよかったって話してるんだよ」





「ふ~ん。お前らふたりとも、変態だな」







先生は、コーヒーカップを3つテーブルに置くと、ケーキを取りに行った。







「私こんな話したことなかったから幸せ!ごめんね。旦那さんのことこんな風に言われて嫌じゃない?」





「大丈夫!もう田辺さんの正体わかったから。へへ」





「ははは。そうだね。この前までは得体のしれない変な女だったもんね」







いちごのロールケーキ。





3人で食べるには大きかったけど、3等分して、いっぱい食べた。






こんなに美味しいケーキは初めてじゃないか、なんて思っちゃうくらいに美味しかった。





不安や恐怖が消えたことで、心が軽くなっていた。








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