白いジャージ8~先生と熱い想い~





その日の放課後、宮崎と戸村が生活指導室へやって来た。




「また同じ髪の色にしたのか?」




「へへ。これは、市販のハニーミルクって色。昨日一緒に染めたんだ」




嬉しそうに話す宮崎を見ていると注意できなくなる。


が、俺は教師。



ちゃんと注意しなきゃ。






「いい色だとは思うが、校則違反だぞ。もう少し黒目の色にしてこい」




「え~、せっかく染めたのに」






宮崎と戸村を見ていると、心が温かくなる。




人って温かいな、と思う。






あんなに傷付け合って、憎んだ相手を、また愛せるなんてさ。




いいな、こういうの。






「文化祭でやりたいことがあるんだけど、どうかな。これ」





戸村がノートを開く。







そこには




【我らがベストカップル!ラブラブカップル募集】




と書かれていた。




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