白いジャージ8~先生と熱い想い~
「なぁ、戸村と宮崎は、新垣先生のこと好きになったりしないのか?」
いきなり何を言い出すかと思えば・・・・・・
喜多先生の質問に、宮崎が大笑い。
「ないない!!ねぇ、さやか」
「あ、うん。そうだよね」
と戸村も頷いた。
「親身になって相談とか乗ってもらってると、好きになったりしないのかなと思っただけ。新垣先生のこと好きな生徒、多いだろ?」
喜多先生は、さっきのラブレターのことが頭から離れないんだろうなぁ。
「そりゃ、先生として好きだけど、うちら年上より同年代がいいし。それに、いくら優しくしてくれても、教師は教師だし。でも、勘違いしちゃう子もいるんだろうな。毎日家に来てくれたり、心配してくれたりすると・・・・・・ね」
宮崎は、遠い目をしながらそう言った。
「なぁ、もしも結婚している先生を好きになったとするだろ?告白したとして、返事はどんなのがいいかな?」
俺は喜多先生の代わりにふたりに尋ねた。
「え?新垣先生、告白されたの?」
「いや。そうじゃないけど、友達の話」
喜多先生は、何を言うんだという顔で俺を睨んでいた。
「そうだな~。気持ちは嬉しいよ、みたいな?普通過ぎるかな」
「でも、結婚してるんだから、告白した子だって、可能性はないってわかってるんだろうしね」
「そうそう。不倫とかしたいって子はいないと思う」
ふたりの会話を聞きながら、喜多先生は眉をしかめて目を閉じた。
シュミレーションしてんのかな・・・・・・
喜多先生のこういう姿も新鮮。
「そうだよな。ありがとう。参考にさせてもらうよ」
俺がそう言うと、喜多先生は席を外した。
早速言いに行くのかなと思って、俺はニヤリと笑った。