白いジャージ8~先生と熱い想い~
「子供がいると、結婚に踏み切れないんじゃないのかな。まだ焦らなくてもいいと思うぞ」
先生は静かな声でそう言った。
「まあな。そうだけど・・・・・・俺は早く籍を入れたい。愛花の父親になりたい」
あの日から、誠人さんと愛花ちゃんはいろんな場所に行ったんだろうな。
いっぱいいっぱい遊んで、どんどん大切になっていったんだね。
誠人さんは、花帆さんと愛花ちゃんのふたりに恋をしているように見えた。
「プロポーズしたの?」
私がそう尋ねると誠人さんは静かに首を横に振った。
「今は言えない。アイツが迷ってるから」
そうだよね。
迷うよね。
子供がいるんだもんね。
好きだけでは結婚できない。
でも、誠人さんなら大丈夫だと私は思う。
花帆さんもきっとそう思っていると思うんだよね。
「最近の花帆は、ちょっと俺に距離を置こうとしているように思えて・・・・・・結婚なんて言い出さないでよ、みたいな空気でさ」
「お前、女心が良くわかるんだな。さすが、遊んできただけあるな」
「何言ってんだよ。それくらい一緒にいればわかる。兄貴だってちゃんとわかるんだろ」
先生は、ニヤっと笑い、私を見た。