白いジャージ8~先生と熱い想い~
「他のカップルにはここだけは絶対に負けない、という所がありますか?」
「そりゃあ・・・・・・妻を想う気持ちでしょう。ふふ。あとは、信頼関係。それと、妻が俺に今でもキュンキュンしてくれている所かなぁ??」
先生ったら、何を言うの??
恥ずかしくて、ただただうつむく私・・・・・・
「え~、そうなんですか!?奥さんは先生のどこにキュンキュンしてるんですかぁ?」
宮崎さんはニヤニヤしながら私にマイクを向ける。
「え?あ・・・・・・疲れた顔で帰って来た時とか・・・・・・ネクタイ外す時とか、美味しそうにご飯食べてくれた時とか・・・・・・車の運転をしている横顔とか、ですかね・・・・・・」
笑いが起こっていることに気付いて、私は自分がおかしなことを言ってしまっていることに気付く。
そうだよね。ネクタイ外す仕草にキュンキュンするなんて、結婚しているのにおかしいよね。
「奥さん、超おもしろい!!他にもあるんでしょ?教えてください」
戸村さんに乗せられて・・・・・・
「寝ぐせのついた髪とか、剃り残したヒゲとかも、好きです」
私ったら何言ってるのぉ??
でも止められないんだもん。
全校生徒の前で、こんな変な発言しちゃって、先生はどんな顔をしているんだろう。
と、先生を見ると、
お腹を抱えて笑っていた。
「恥ずかしいだろぉ~」
と先生は私の頭をコツン。
「あ、今のも奥さん的にはキュンとしたんじゃないですか?」
宮崎さんにそう言われて、私はうんうんと頷いた。
会場が温かい雰囲気に包まれていた。
私は、幸せいっぱいだった。
みんなの前で堂々と言えた。
好きだと。
キュンキュンしていると。
先生を愛してる。
出会った頃よりもずっとずっと愛してる。
ちゃんと伝えることができた。