白いジャージ8~先生と熱い想い~
“走ってはいけません”とよく叱られた廊下を歩く。
背筋をピンの伸ばして歩く先生の後ろ姿を見つめていたね。
振り向いた先生と目が合うと私は恥ずかしくて走り出してしまう。
“お~い、矢沢。お前はまた走る~”と手を伸ばして私を止める。
廊下の窓から中庭の噴水を見下ろす。
噴水の横にあるベンチ。
あそこでよくミルクティーを飲んだ。
先生もあのベンチ好きだったんだ。
先生が座ると、たくさんの生徒が集まってきた。
だから私は近付けなくて・・・・・・こうして廊下の窓から見ていたね。
この角を曲がると、あの場所が見える。
寂しそうな背中に触れてしまったあの日。
私の恋は動き出した。
たくさんの思い出達がキラキラと輝いていた。
窓からは夕陽が差し込んでいた。
オレンジ色。
学校から見える夕日は最高なんだ。