白いジャージ8~先生と熱い想い~
次は依子の手紙。
「ゆかりへ。私は、ゆかりがいなければ、今どうしていたかわかりません。ゆかりは、友達想いで、自分のことよりも友達のことを考えてくれたね」
ゆかりは中学時代の彼氏の龍を忘れられずにいた。
偶然、龍を知った依子が龍を紹介して欲しいと頼んだ。
“先生をあきらめるなら”と、ゆかりは龍を紹介した。
好きな人を友達に紹介するなんて、私にはできない。
ゆかりは、私と先生の為に・・・・・・
本当にありがとう。
「私が幸せになれたのは、ゆかりのおかげだよ。今度はゆかりが最高の幸せを掴む番です。たっくん、よろしくお願いします」
たっくんはしっかりと頷いて、ゆかりの手を握っている自分の手を上にあげた。
「卓弥さん、ゆかりさん、結婚おめでとうございます。幸せになってください」
スライドの最後の写真は、ゆかりの子供時代の写真にした。
お父さんとお母さんと一緒に写ったゆかり。
ゆかりと出会えて良かった。
ゆかりと友達になれて・・・・・・本当に良かった。
席に戻ると、優しい旦那様の笑顔が待っていた。
小さく右手の親指を立てた先生。
“よくできました”って言われた気分だった。
先生、ありがとう。
私の精いっぱいのゆかりへの気持ちを伝えられたと思う。
手がまだ震えていた。
ゆかりを見ると、私の方を見ていた。
小さく頷いたゆかりに、私も頷いた。