白いジャージ8~先生と熱い想い~
「中田へのプレゼントは、サプライズゲストです。扉の方を見てください」
これは私と依子で考えたサプライズ。
「小学校の音楽の先生です。山岡晴美先生です。どうぞ」
ゆかりは、泣き崩れるようにしてたっくんの胸に顔を埋めた。
小学校時代、ゆかりは一時期いじめに遭ったことがあった。
友達になった頃に話してくれたことがある。
とても辛くて学校に行きたくなかったと。
その時に、支えてくれたのがこの山岡先生だったんだ。
「中田ゆかりさん。久しぶり。綺麗になったわね」
ゆかりは、立ち上がり、顔を手で隠しながら山岡先生の方へ歩く。
「元気だった?」
と両手を広げた山岡先生に抱きついたゆかり。
「晴美先生~!!!!」
感動した。
時間なんてすぐに埋まっちゃうんだ。
小学生のゆかりに戻っていた。
「大きくなったね」と頭を撫でられたゆかりは、涙を拭きながら大きく頷いた。