禁断ノ遊ビ


目を潰すかの如く手で押さえて進む。

怖い。恐い。次捕まったら今度こそ、あの尖った爪で目を……。


「うぁ゛!」


気が狂いそうになり自らの目を更に押し込む。そうしなければ狂気に飲まれてしまいそうだった。

息を荒げ、痛みに耐えながら雛の方に顔を向けた。


「椿くん。ごめんね、ごめんね……」


雛は先からこうやってずっと謝罪の言葉を並べて泣いている。雛だって不安な筈なのに優しい言葉一つも掛けられない。

怒ってもいない。恨んでもいない。けど、脳が命令を遮断する。


「あと少しだよ。だから、ごめんね……」


継ぎ接ぎの言葉の意味を理解しようともしてくれない。

ガチャッと手首から金属音が鳴った。




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