禁断ノ遊ビ
椿くんは、きっと意味なく傷つけていると思っている。
これが意味になりはしないけど、気付きはしないだろう。私も気付かなかった。
それが義手だと、義足だと、片目の視力がないと。……病気だと。
『お揃いにすると嬉しいよね』
笑ってそう言う柊様に寒気を覚えた。今だって覚える。けど、柊様には最大の意味であり、理由だった。
なのにもう一つ。平等な不幸がもう一つ飛び抜けてしまうことをまだ知らない。同時に幸せが訪れる事も。
きっと何よりの幸せだろう。
本当は自分が外に出れないから、外にいる人を恨んでるから傷つけるんじゃないのかと疑わずに居られないが、無意味だ。
選ばれたのは私。選ばれたのは彼。
「……」
扉の前に立ち、頭に結ばれたもう片方のリボンをほどいた。