禁断ノ遊ビ
門を潜るとそこはちょっとした庭。松の木もあれば小さな池もある。濁りを見せた池だが鯉だって泳いでいる。
辺りに視線を移しながらも進む足は前へ前へ。入り口へ。
そうして立ち止まる大きな引き戸の扉の前。鍵が掛かっていれば別の場所を探すしかないが……
「!」
だが、そんな心配も無用。思いの外扉は簡単に開いた。音もなく、誰もいなく。
僕にとっては誰も居ない方が好都合だった。だって、行ってはいけない場所に来ていて、無断で門を潜っていたのだから。
リスクを背負っても尚、軋む床に足を置いた。
時。
「いや!来な、いで!来ないでください!!」
叫び声が家全体に行き届いた。