禁断ノ遊ビ
一度に襲ってくる絶望感があったけれど、そうも言っていられない。言うよりも行動だった。
何も玄関だけが出口ではない。
私は相手の脇を抜け、別の出口を目指した。
出れるなら何処だっていい。助かるなら椿くんを救えるなら。
そうして見つけた最初の戸。先の玄関とは違い、引けば容易に開き、
「嘘……」
容易に裏切られた。
戸を開けた所にもう一つの戸……遮るかのように塞ぐかのようにある板。
「何でなの!?」
叩こうが喚こうが只そこにあるだけ。私は、私達は閉じ込められているのだ。
ここが駄目ならまた別の場所だ。薄い希望に向かってまた走り出そうとしたが。
「雛。何処に行くの?」
希望はプツリと消え、真っ暗になり、行き先が見えなくなった。