禁断ノ遊ビ
いつからかすぐ傍には柊様がいて、変わりなく無邪気に笑っていた。ただし、異様な臭いを纏って。
「雛。駄目だよ勝手に動いちゃ。ねぇ、えーっと……ナントカさん」
悪びれもなく覚えていないと主張するも、相手の男の人は何も言わずに柊様に頭を下げ、何処かの部屋に消え去った。
思った通りで、助ける気持ちなど毛頭ないようだった。
「さ、邪魔はいなくなったし、お話しよ?」
仲良くお話など出来るわけがない。現に今だって恐怖が競り上がってきていて、何かは分からないが酷く鼻につく臭いに耐えられそうにもないのだ。
こんな状況なのを柊様だって分かっていないわけでもないだろう。
「ほら」
それでもなのか何なのか。
行こうと手を捕まれて、私は拒絶反応を起こしてしまった。