禁断ノ遊ビ
首を締める手が強くなった。
その手を掴んでやりたいのに指一本も動かない。ただただ死へ近づいていく。
「薺、邪魔されるのが一番嫌いだから。だから雛しか呼ばなかったのに、椿が来るから」
「ぐっ……ぅ」
「玄関開けてたのも雛が希望にすがった時に掴まえて、薺といるしか無いって認識させる為だったのに。勝手に入って来るから」
目眩がするくらいの独占欲。そこまで雛に執着する意味、それを問いただしたくなった。叶わない事だが。
「知ってるよ?椿が雛を大好きなの。だから後で呼ぼうと思ったんだ。雛が動けなくなった後に」
と。突然、首から手が離れて落ちた。
咳き込みながら、目一杯空気を体内に掻き込む。それを嗤うのは薺ただ一人。
「心配しないで。動けなくしても殺しはしないよ。椿も雛も。だって、二人とも大好きなんだから」
それは屈託のない笑顔からの、死刑宣告にもよく似た言葉だった。