禁断ノ遊ビ
叫びながら荒い息を吐く。この人には人の心が無い。これ程まで叫んでも力一つ弱めたりしない。むしろ強く、更に強くなる。
「ねぇ、雛」
「はっ……あぅっ……」
波のように一際強くなる刺激に返事すらままならない。
だが、柊様は続けた。
「今日は何して遊ぼうか。まだ決めてないんだ」
重々しく床を擦る音に加算される声に、何もしたくないと叫びたくなった。
けれど、叫べはしない。叫ぼうものなら何をされるか分かったものではなかったのだ。
廊下には私と柊様のみ。先に目を凝らしても暗闇ばかり。
二人が通った跡のように、数本の黒髪が残っていた。
それ以降、柊様は話す事なく私を別室へと連れ込んだ。その間も決して髪を離しはしなかった。