禁断ノ遊ビ
連れられた別室は柊様の部屋なのか、多少ながらに生活感があった。
箪笥、飾られた花、本と思われる紙の束。認識出来るのはそれくらいの生活感だけど。
もしかしたら、首を右に左に向ければまだあるのかもしれないが、正面から目が離せなかった。
目の前のこの人、光景から。
「雛の髪、綺麗だよね」
大量の黒い髪を手に持ち、眺めながら妖しく笑う。嫌悪以外何が走ろうか。
「いいな。いいな。薺も黒くなりたい。まぁでも薺は薺のままでも悪くないけど…」
と、突然何を思ったか柊様は自分の髪に手を持っていき、躊躇いなく引っ張った。
「っ――!?」
そう、まるで雑草を抜くかのような軽々しい仕草で。