禁断ノ遊ビ
今、柊様の手の内には黒い髪と白い髪があった。
「悪くないんだけど……やっぱり雛と椿と一緒の黒がいいなぁ」
「っ……」
この人には痛覚すらないのかもしれない。今現在でも私は痛みが酷いのに柊様は平然としているのだ。思ってしまうのは自然だろう。
何て異常な人だろう。何て不安定な人なんだろう。
「雛」
「はっ……い」
呼び掛けられる度に私の心臓は萎縮する。このままだといつかは消えて無くなるかもしれない。
着物の胸元を握り締めながら、判決だけをただただ待った。
一瞬の永遠。