禁断ノ遊ビ
side×椿
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薺から伝えられた感情に、嫌悪しか生まれなかった。この絶望的な状況でもまだ動けたのは、雛ともう一度会いたいと願っていたからだろう。
それだけでまだ動ける自分に驚きはするものの、動けるのならなんだっていい。
「何か……何でもいいから……」
二階への階段を探しながらもここから脱出する術を僕は探していた。
「ゴホッ!ゴホゴホッ!」
押し入れを開けたり、棚を開けたりしている為か酷く埃っぽい。喉が痛い。
肺に入った空気を吐き出しつつ、次の押し入れを探しだした。
『人形』が入っていない事を願って。
バサッ――
そうしている時、一冊の本が畳に落ちた。