禁断ノ遊ビ


一つ間を置いてからそれを手に取る。

まだ新しい本。本は本でも、中を開けば日記のようだった。

見るからに子供の字で、読むことが少々困難だが、読解しようとページを捲っていく。


「っ!?」


すると、見つけた字に驚愕を覚える。これだけははっきり読めたのだ。


『なずなはひなとつばきにあいたいっていったけど、かあさまにだめだっていわれた』


平仮名でそう書いてあった。

薺と雛と僕の名。これは薺の日記だ。

だが、何故、何故こんな子供の文字で書かれているのか。

この字そのままに、薺の子供の頃に書かれたものだったとしたら僕らの事を昔から知っていたと言う事になる。


何故?


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