禁断ノ遊ビ
書かれていたのはまた日記。只し、先程とは打って変わり綺麗な字だった。
どれもこれも読めて。どれもこれも妙。
『あの人との子供が生まれる。すごく嬉しい』
『生まれた子は歪だった。けれど可愛い、大事な子。名前は薺。雛と椿と合わせて植物にちなんだ』
『薺は化け物だと言われた。私とあの人の大切な子なのに。でも、薺は少しだけおかしい』
『死ぬまで此処で生きなくてはならない。それが禁忌を犯した者の定め。その子もまた然り。だから薺は二人に会えない』
一通り目を通していく。自然と本を持つ手に力が籠る。また僕らの名が刻まれていたことに寒気を覚えた。
一体これは誰だ?薺の親だとして、何故僕らの事を?
分からない事ばかりが増えていて頭が混乱しそうだった。