禁断ノ遊ビ
泣く声と、何かを堪える声。それは近い。すぐそこ。
心は焦りながらも耳を研ぎ澄ました。
廊下を曲がった奥の更に右。部屋。部屋の中の壁にピッタリとくっ付けられた衝立。衝立の裏。壁。
そこには隠されたかのように戸があった。
どうりで見つからない訳で、どうにも邪魔をしたいわけだ。
今も尚、叫ばれ続ける声に何の用心もせずに勢いよく戸を開いた。
「っあ……!?」
バンッ。と戸を打ち付ける音よりも自分の声がよく聴こえたのは何故だろう。
目の前の光景は何だろう。桜が散って散って舞い落ちて。
待っていたのは目を疑いたくなるような地獄。狂った人間の姿。
叫びは遂に途絶えた。