禁断ノ遊ビ
慌てて髪と額の間に手を滑り込ませる。
少し汗ばんでもいて、思った通りに額は熱く、熱が出ているようだった。
「せ、先生っ!」
呼ぶも先生は慌てる様子もなく、かと言って雛の状態を見るわけではなく怪我の様子だけを見ていた。
構えないのか、構わないのか。低い声で呟く。
「薬は出しておく」
先生は、それ以上発する事はなかった。
先生なのに患者をちゃんと見ない。その事に違和感を覚える筈なのに、僕は目先の事で精一杯だった。
雛は決して返事をしないのに、僕はただ手を握り名を呼ぶしか出来ずにいた。