禁断ノ遊ビ


話終えた薺は可笑しそうに笑う。それは子供が悪戯をした時の姿と同じだった。きっと薺枯らしてみれば同じ事なのだろう。


「半分冗談だよ。本当は母様が無理矢理父様を連れ出したの、まぁ、父様も父様で母様が大事だから受け入れた訳だけど……二人とも頭、おかしいんだよ」


もう止めてくれと頭を振る。掻き消すことができない。凶器の言葉がまとわりついてくる。


「おかしいからこそ、薺が生まれたの。生まれなければ父様も母様も雛と椿の元に戻れたのにね」

「お前……っ!」


言い知れぬ感情に取り付かれ、薺の胸ぐらを掴む。必然的に近くなり、赤と白のコントラストに気持ち悪さを覚える。

それでも、離しはしない。


「憎い?薺が憎い?」


白い歯をチラつかせる程笑う。光のない眼が輝いた。危機を察知した時には遅かった。


「だったら……殺してよ」

「なっ……!?」


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