禁断ノ遊ビ
依然として表情を緩めはしない。僕が胸ぐらから手を離そうとしても、手首を捕まえて、逃がさないようにさえしてくる。
「薺は苦しいんだよ。毎日毎日薬を飲んで血を吐いて」
「な……に……?」
「こんなに苦しいのにそれでも生きているのが気持ち悪い」
「何が……」
「どうせ死ぬなら椿か雛に殺して欲しい。もしくは一緒に死のう?」
「っ~~!」
背筋がゾワワと逆立ち冷たくなる。漸く薺の手を振りほどけば心拍数は一気に上昇していた。
何がおかしくて、何がおかしくないのかが分からなくなってくる。
確かに不審な点はあるのに口に出せやしない。