禁断ノ遊ビ


薺からは距離が開いた。同時に雛からも開いていた。

それをいい事になのか何なのか。薺は雛の額に手を乗せる。


「熱出てるね。雛」

「やめろ……っ。雛に触るな……っ」


絞り出すのが精一杯で足が動かない。近づけば殺されるんじゃないかという錯覚が起きていた。


「例え雛を好きでいる事が禁忌だとしても、守るんだ」

「違う。僕らは……っ!?」


反論を試みようとする前に薺は唐突に雛の唇と自らのそれを重ね合わせた。

何。何。意味が分からない。目を見開いて硬直した。


「こういうこと、したいんでしょ?」

「ち、がう……っ!」

「それが愛だなんて、違うよね」


違う。根本が違う。奴は捻れてる。




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