禁断ノ遊ビ
わざとらしく吐き出されるため息。
「だから、出れないって。聞いてたでしょ?」
願いを振り払うのは薺ただ一人。
「っ、ふざ、けるな!僕らは禁忌なんて犯しちゃいない。ここにいる意味もないじゃないか」
「そうだね。犯しちゃいないね」
「村の掟なんて嘘だろ。大嘘だ」
「そうだよ。本当は禁忌を犯した人をそうやって閉じ込めるんだ」
「じゃあ何で……っ!」
納得いかない。出来ない。視線と視線がかち合った時、赤が泣いた気がした。
「薺はもうすぐ死ぬから、最後は血の繋がりがある人と過ごしたかったんだよ」