涙はきっと
どっちが勝ったなんてなかった。

二人ともしっかりしていた。

「おまたせ。」

笑美は笑って僕に言った。

「俺、今のお前世界一大嫌い。」

「え?」

「なんだよ。どこいったんだよ。綺麗な髪の色。耳にピアスなんてつけてなくて、明るい性格。今のお前は、本当のお前じゃない。」

「あっそ。今日から夕飯いいから。アンタなんてこっちから願い下げだよ」

「人の男とか、いちいち格好つけてんじゃねーよ。」

「格好つけて悪い?旬に迷惑かけた?」

「人に、何処にも行かないで傍にいて。って言ってたくせに、どっか行ってるのはお前だろ」
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