IMITATION LOVELESS -Remember-
城の大浴場。
優夜と刹那は冷たくなった体をお湯で暖めていた。
「………ね 刹那」
「なんだ…?」
優夜は刹那に背中を預けて俯きながら呟いた。
「俺達、なんで 姫なんて探してるんだろ…」
「さぁな おじ様の言い付けを守ってるだけだ…」
刹那の長い髪がお湯の中で散らばった。
沈黙がはしる。
二人は何かを考えているように黙り込んでしまった。
パシャリ…
優夜がお湯から右足を出して遊んでいる。
濡れた素足を上下に動かして運動のようにも見える。