IMITATION LOVELESS -Remember-
朝から雨が激しかった。
窓に打ち付ける雫は激しさを増し、弱まることを知らなかった。
「憐~ ココア淹れたよ~」
「魑 谺の真似、似てるね?」
「双子だからな」
魑はマグカップを二つ持って憐の隣に腰を下ろす。
相変わらず強い雨。
雨音に掻き消され谺の寝息が聞こえない。
ソファーで熟睡している谺。
「………魑 お腹すいた…」
「…? いいよ、何が食べたいの」
魑は腕捲りをしながらキッチンに向かっていく。
憐は適当に答えると音もなく椅子から立ち上がる。