IMITATION LOVELESS -Remember-
憐は魑が料理を始めたことを確認して、マントを羽織り 猫のぬいぐるみを抱えて家を出ていった。
二人は気づかなかった。
―《路地裏》―
憐が路地裏についた頃は雨も少しは弱まっていた。
以前 青年達に出会った場所。
憐は辺りを見回す。
誰もいない。
憐は俯いてから顔を上げた。
ごつ……
「…!?」
後頭部に当たる独特な固い感覚。
身体中に鳥肌が立つ。
背中に突き刺さる殺気に、憐は涙を流す。
「誰? こんなところで…何してるの?」
「ここは 俺たちの遊び場なんだが…」