IMITATION LOVELESS -Remember-
「………捕まえた方がいいよね?」
「捕ま…える?」
憐は遠慮がちな優夜の言葉を鸚鵡返しする。
刹那の顔を振り仰ぐ。
「……そうだな」
「刹那…? なんで? なんで?」
「…お前が指名手配中の姫だからだ」
憐は目を見開き涙を溢す。
力無く俯く憐は涙を流しながら小さな声で呟いた。
「優夜…、刹那…、 僕を忘れちゃったの…?」
「…? 俺はお前のことなんて知らない」
「!!?」
憐は心臓を鷲掴みにされたような息苦しさを覚えた。
目を見開き、大粒の涙をポロポロと零れさせる。