IMITATION LOVELESS -Remember-
「【僕は貴方達を覚えてるよ…?】」
憐の言葉を頭の中で繰返しながら優夜と刹那は廊下を歩いていた。
不意に自分達の間を歩く憐を見下ろす。
金色の髪、アクアマリンの瞳、左目の火傷、そして何より…、
「…ん? 優夜? 刹那?」
自分達を呼ぶ鈴のような可憐な声。
その声を聞いていると、何か、大切なモノを忘れているような気がしていた。
「何でもないよ?」
「気にするな」
二人は微笑んだあと前を向く。
二年間、足を踏み入れていなかった城の中は何一つ 変わっていなかった。
前、世話をしてくれたメイドも見かけ、憐は安心していた。
そのメイドが話しかけてきてくれたが、優夜と刹那が銃を取り出した為、あまりお話は出来なかった。
憐は残念に思う反面、優夜と刹那に愛しさを感じていた。