IMITATION LOVELESS -Remember-
「……」
「返事は?」
憐は刹那から視線をずらしながら小さく頷いた。
満足げな顔をしている刹那は、傍らにあったタオルと着替えを引き寄せると憐に持たせた。
「優夜 行くぞ」
「ん」
刹那は憐を抱えたまま立ち上がり、優夜を連れて大浴場に向かった。
―――――。
「あ…」
「ん? どうかした?」
憐が窓の外を見て声を漏らす。
優夜と刹那は憐の視線の先を見てみた。
金色の髪を靡かせて辺りを見回している瓜二つの男女。
「谺…、魑…」
「あいつら…、」
二人は憐を抱き寄せると早足でその場を離れた。