IMITATION LOVELESS -Remember-
刹那は憐の頭を撫でながら彼女の体を抱き寄せた。
不機嫌そうに拗ねている優夜の顔を見て、二人は小さく吹いてから 笑い出した。
「プッ……あはははは!」
「クッ…ふふ…、」
「…、二人とも 怒るよ?」
優夜の低い声に二人は硬直してしまったが、少しすると三人で笑い合った。
一瞬の幸せだった。
――――――。
お風呂から上がり、三人で話ながら廊下を歩いていた。
皆 髪が濡れていてタオルを肩にかけていた。
「憐様」
聞き覚えがある低声に三人は振り向く。
そこには笑顔の要が立っていた。
その背後には、黒いスーツを着込んだ男達が数人待機していた。